大沼 淳【学校法人文化学園理事長】 文化部門

受賞年月

平成18年2月

受賞理由

多年に亘り服飾文化に関する教育と産業界の人材育成に努め、我が国私学振興に尽くせる功績

受賞者の経歴

【学歴】
昭和20年(1945)10月 海軍兵学校修了(終戦のため)
【職歴】
昭和24年  4月 人事院に採用される
昭和33年  2月 人事院退職(願いによる)
昭和33年  2月 学校法人並木学園(現学校法人文化学園)常任理事(昭和33年2月迄)
昭和35年  9月 学校法人並木学園理事長(昭和48年6月1日 学校法人文化学園に名称変更、引き続き理事長 現在に至る)
昭和38年  3月 株式会社市川製作所社長(昭和43年10月 合併による社名変更のため市光工業株式会社となる)
昭和43年10月 市光工業株式会社社長(昭和52年6月29日~昭和54年6月28日は会長、平成5年6月29日より監査役現在に至る)
昭和44年  4月 文化女子大学学長(現在に至る)
昭和44年  4月 文化女子大学室蘭短期大学学長(現在に至る)
昭和46年  6月 学校法人成徳学園理事(現在に至る 昭和48年9月1日~昭和49年5月21日は理事長)
昭和49年  2月 学校法人城右学園理事長(平成8年4月 学校法人文化杉並学園に名称変更 引き続き理事長 現在に至る。昭和61年6月1日~平成4年5月25日は理事)
昭和51年  8月 文化服装学院学院長(現在に至る 昭和58年7月1日~平成3年7月26日を除く)
昭和55年  4月 文化外国語専門学校校長(現在に至る 平成5年7月1日~平成14年3月31日を除く)
昭和58年12月 学校法人文化長野学園理事長(平成6年7月29日より学園長 現在に至る)
【学会及び社会における活動等】
昭和36年11月 全国各種学校総連合会理事副会長(昭和39年11月迄 昭和39年11月~昭和49年7月迄 理事長、昭和49年7月~昭和51年6月迄 会長・理事長、昭和51年6月28日 全国専修学校各種学校総連合会に名称変更 引き続き会長、平成2年9月~最高顧問 現在に至る)
昭和39年  5月 社団法人東京都私立各種学校協会会長(昭和51年5月31日 社団法人東京都専修学校各種学校協会に名称変更 引き続き会長、平成2年5月~名誉会長現在に至る)
昭和40年  1月 東京都私立学校審議会委員(平成10年7月迄)
昭和40年  5月 文部省大学設置審議会委員(昭和60年2月迄 昭和47年5月~昭和48年8月迄除く)
昭和43年11月 文部省私立大学審議会委員(昭和51年11月迄)
昭和44年  2月 財団法人日本洋裁技術検定協会理事長(昭和48年2月~会長、平成3年11月28日 財団法人日本ファッション教育振興協会に名称変更、引き続き会長 現在に至る)
昭和46年  7月 社団法人日本YPO(日本青年社長会)会長(昭和48年6月迄)
昭和48年10月 文部省私立学校振興方策懇談会委員(昭和50年3月迄)
昭和49年  6月 文部省高等教育懇談会委員(昭和52年3月迄)
昭和51年  7月 総理府公共企業体等基本問題会議法令関係懇談会委員(昭和53年6月迄)
昭和53年  6月 財団法人専修学校教育振興会理事長(平成元年6月迄)
昭和53年11月 文部省中央教育審議会専門委員(昭和56年6月迄)
昭和55年  1月 労働省日本人の職業生涯と能力開発を考える懇談会委員(昭和55年6月迄)
昭和56年  1月 文部省理科教育及び産業教育審議会委員(昭和60年2月迄)
昭和57年11月 総理府青少年問題審議会委員(昭和60年12月迄)
昭和59年  4月 日本私立大学協会監事(平成8年4月~平成12年3月迄 副会長、平成12年4月~ 会長及び日本私立大学協会附置私学高等教育研究所所長 現在に至る)
昭和59年  5月 財団法人社会通信教育協会理事(昭和60年9月~平成2年5月迄 会長)
昭和59年12月 総理府臨時教育審議会専門委員(昭和60年12月迄)
昭和61年  5月 東京都職業能力開発審議会委員(平成4年12月迄)
昭和61年  7月 財団法人国際協和奨学会理事(現在に至る)
昭和61年11月 財団法人衣服研究振興会理事(平成11年11月迄)
昭和61年12月 文部省留学生交流推進協議会委員(平成2年9月迄)
昭和61年12月 通商産業省生活文化と産業を考える懇談会委員(生活文化フォーラム)(平成3年6月迄)
昭和62年  4月 社団法人東京ファッション協会理事(平成16年3月31日迄、(財)日本ファッション協会と統合のため)
平成  2年  2月 財団法人日本語教育振興協会理事(現在に至る)
平成  2年  4月 財団法人日本ファッション協会評議員(平成16年3月31日迄、平成16年6月11日より理事 現在に至る)
平成  2年  6月 全国専門学校日語教育協会会長(現在に至る)
平成  3年  7月 NPO(日本社長会)副会長(平成6年7月~10年6月迄 会長)
平成  4年  2月 財団法人ファッション産業人材育成機構参与(現在に至る)
平成  4年  9月 財団法人私学研修福祉会理事(平成6年9月~平成8年9月迄 常務理事、平成8年9月~平成14年9月迄 理事長)
平成  5年  5月 文部省大学設置・学校法人審議会委員(平成11年4月迄)
平成  5年11月 ファッションビジネス学会会長(現在に至る)
平成  6年  5月 全私学連合代表者会議員(現在に至る)
平成  7年  5月 社団法人日本衣料管理協会理事(現在に至る)
平成  9年  6月 ファッション環境学会会長(平成17年3月迄、平成12年6月~14年6月迄除く)
平成10年  2月 繊維ファッション産学協議会副理事長(現在に至る)
平成12年  4月 日本私立大学団体連合会副会長(現在に至る)
平成12年  6月 日本私立学校振興・共済事業団運営審議会委員(現在に至る)
平成12年  7月 文部省国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議「組織業務委員会」委員(平成3年3月迄)
平成15年  4月 独立行政法人国立博物館運営委員会委員(現在に至る)
平成15年  4月 東京国立博物館評議委員会評議員(現在に至る)
【賞罰】
昭和55年  2月 財団法人衣服研究振興会第一回衣服文化賞
昭和56年  9月 私立学校審議会委員永年勤続文部大臣表彰
昭和59年  4月 藍綬褒章
昭和59年11月 産業教育百年記念文部大臣表彰
昭和60年  7月 専修学校教育功労者文部大臣表彰
昭和60年10月 ’85年日本文化デザイン会議賞「企画文化デザイン賞」
昭和63年  5月 飯山市善行表彰
平成  4年  7月 財団法人東京都私立学校教育振興会永年勤続表彰
平成10年10月 全国私立学校審議会連合会功労者表彰
平成11年11月 社会教育法施行50周年記念社会教育功労者文部大臣表彰
平成14年10月 渋谷区制施行70周年記念表彰
平成14年10月 功績勲章勲二等(ルーマニア政府より)
平成15年  4月 勲二等瑞寶章
平成15年  5月 啓明大学校大学院名誉教育学博士学位授与
平成16年  2月 服飾教育文化章特別賞
平成16年  7月 飯山市名誉市民章

受賞者の業績

1.文化学園の発展充実に寄与 同人は昭和35年学校法人文化学園理事長に就任し、現在、文化女子大学学長、文化女子大学室蘭短期大学学長、文化服装学院学院長、文化外国語専門学校校長などを兼任している。就任当初、文化服装学院と文化女子短期大学のみであったが、その後、大学として文化女子大学を設立し、短期大学から大学院を擁する高等教育機関に拡充し、発展させた。一方、文化服装学院においては社会の変遷と産業構造の変化に対応するため、その教育課程を整備・拡充し、大学と共にファッション教育分野では先駆的役割を果たすに至った。また、文化外国語専門学校は文部科学省から国費外国人留学生の日本語教育委託校となっているなど、高等教育機関として各校がそれぞれにその目的を確立し、発展させている。その他2附属幼稚園を設置し、2高等学校と1中学校等を附属とした。また、文化学園がファッション教育関連の情報発信の場となりうるために、服飾博物館、ファッションリソースセンター、文化・服装学総合研究所、文化・服装形態機能研究所、文化・未来ファッション研究所等を創設し、国際的立場も視野に置き、教育界のみならず産業界にも貢献できるものとして取り組むなど、同学園の発展充実に寄与した。
2.我が国の審議会等に対する寄与 同人は、我が国の高等教育に関する造詣も深く、文部省大学設置審議会委員9期、文部省私立大学審議会委員2期、文部省中央教育審議会専門委員2期、総理府臨時教育審議会専門委員、文部省大学設置・学校法人審議会委員3期、文部省国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議「組織業務委員会」委員などをはじめ、他の省庁を含め各種の委員を歴任しており、永年にわたり我が国の高等教育の発展に寄与した。
現在も独立行政法人大学入試センター評議員、同試験協議会委員、大学入試センター運営審議会委員、大学入試センター試験得点調整判定委員会委員などを委嘱され、尽力を注いでいる。
3.我が国の私学振興に対する寄与 同人は、全国各種学校総連合会会長兼理事長として、各種学校の振興発展のため、組織の拡充を図りながら学校教育法改正運動を展開し、専修学校制度の創設に尽力した。昭和50年に同法が改正され、これに伴い全国専修学校各種学校総連合会と改称し、引き続き会長としてその発展と拡充に貢献した。加えて、専修学校振興のため、財団法人専修学校教育振興協会を設立し、その理事長として教育研修、教員認定、技術検定などの制度を設けた。その後、ファッション教育の振興を図るため、財団法人日本ファッション教育振興協会を創設し、同会長として教育の充実・向上と産官学協同や人材育成の推進に寄与している。
また、日本私立大学協会の会長として、私立大学に対する国庫補助の増額、税制の改正等に尽力し、私立大学の発展に貢献するとともに、合わせて同協会内に私学高等教育研究所を創設し、その所長として高等教育振興等のための研究推進に務めている。また、全私学連合私学予算委員会委員・代表者会議員、日本私立大学団体連合会副会長、日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会委員等として、私学の振興に貢献している。
財団法人私学研修福祉会においては理事長として諸事業を推進し、その拡充を図るとともに、収益部門のアルカディア市ヶ谷(私学会館)の経営を健全化するなど、その功績は高く評価されている。
4.産官学協同、交流および人材育成に対する寄与 同人は、文化学園としての産官学の協同、交流に留まらず、ファッション教育関連の協会および学会と、アパレル企業を中心に流通業界を含めた16団体で組織する繊維ファッション産学協議会の副理事長として、教育界と産業界の人材育成と交流の推進に貢献している。また、職業人の技術向上を含めて生涯教育の必要性を説き、教育界と産業界の協同、連携に尽力している。この活動の中で文部科学省、経済産業省などの理解も得て、いまや産官学の強い連携による事業展開が進められている。
また、生活文化まで含めた広義のファッションの分野としての社団法人東京ファッション協会、財団法人日本ファッション協会の設立にも寄与し、広く産業界と教育界の相互理解を求め、その交流に寄与している。
加えて、同人は人材育成の見地から、ファッション分野というくくりではなく、日本ヤングプレジデントオーガニゼーション(YPO)を日本の青年企業経営者の人材育成のための法人としてその認可に尽力し、文部省から唯一企業経営者のための社団法人として認可を受けた。その後会長となり、同会の発展に寄与した。また、その上部機関となる日本プレジデントオーガニゼーション(NPO)の会長を務め、(社)YPOと連携しその人材育成に尽力した。
5.学術研究に対する寄与 経済のグローバル化と同時に、生活者の消費動向が経済を主導するようになり、その感性等が社会・経済活動に大きな影響を与えるようになった。生活者が求める快適性に対し、人文・社会科学と自然科学とそれぞれの研究成果の接近が求められ、今後の業際融合や国際化を踏まえた上での研究開発には産学および異業種間の知的交流が必要であるとの視点から、ファッションビジネス学会を設立した。また、多様なファッション化現象に対し、環境論の視点から総合的な研究を行うためにファッション環境学会を設立し、各々の会長として研究発表会やシンポジウム等を行い、学会の発展と振興に尽力している。
6.国際的視野での海外との交流に対する寄与 同人はファッション教育を行う上で、いち早く国際的視野での海外交流に務めた。このことは文化学園が我が国のファッション教育における分野で、指導的役割を果たすまでになった一つの要因でもある。その過程で多くの交流が生まれた。ファッション教育の見地からピエール・カルダン氏などの海外の著名なデザイナー・研究者を招聘し、教育面や産業界との交流をはかり、世界のファッションレベルの啓蒙とその普及にも尽力した。また、服装学、服飾技術などを通じ、海外の教育機関と多くの姉妹校提携を行い、ファッション教育の海外普及や学術交流を行っている。これらの国際的視野での相互交流を通じ、民間外交の一助ともなっている。

授賞理由

大沼 淳氏は、昭和35年学校法人文化学園理事長に就任以来、47年の永きに亘り現職にある。就任当初、文化服装学院と文化女子短期大学のみであったが、その後、文化女子大学を設立し、短期大学から大学院を擁する高等教育機関に拡充し、更にファッション分野で初の専門職大学院・文化ファッション大学院大学を開設し、同学園の充実発展に寄与してきた。
特に、氏は高等教育に関する造詣も深く、文部省大学設置審議会委員9期、同省私立大学審議会委員2期、同省中央教育審議会専門委員2期、総理府臨時教育審議会専門委員、文部省大学設置・学校法人審議会委員3期、同省国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議委員などをはじめ、他の省庁を含め各種委員を歴任しており、永年に亘り我が国高等教育の発展に寄与した功績は大である。
また、氏は全国各種学校総連合会会長兼理事長として、専修学校制度の創設に尽力。昭和50年学校教育法の改正に至らしめた。その後、専修学校教育振興協会を設立し、その理事長として教員研修、教員認定、技術検定などの制度を設けた。その他、ファッション教育の振興を図るため、財団法人日本ファッション教育振興協会を設立し、同会長として教育の充実に努め、産官学協同や人材育成の推進に寄与している。
一方、私学関係に於いては、日本私立大学協会の会長として、私立大学の発展に貢献すると共に、併せて同協会内に私学高等教育研究所を創設。また、全私学連合私学予算委員会委員・代表者会議員、日本私立大学団体連合会副会長、日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会会長として、我が国の私学の振興に貢献すること極めて大であり、また、財団法人私学研修福祉会においては理事長としての諸事業推進に尽くした功績も高く評価されている。
最後に、氏は学園としての産官学の協同・交流のみならず、ファッション教育関連16団体で組織する繊維ファッション産学協議会副理事長として、教育界と産業界の人材育成に努めると共に、世界組織でもあるYPOを、日本の青年企業経営者育成の為の法人認可に尽力し、併せてその上部機関NPOと共に会長を務めるなど、広く人材の育成に尽くした功績は顕著である。


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