人生を変えた出会い  延安大学/盧ニュウニュウ

 ご存知のように、人生の中には、いろいろなことがあります。私も例外ではありません。生まれてからの20年、楽しいことや悲しいことがさまざまありましたが、重い病気を患った友達のことは、私に人生とは何かを考えるきっかけを与えてくれました。
 皆さんは「1リットルの涙」というドラマをご覧になったことがあるでしょうか。ドラマの話は、一般に普段の生活とはあまり関係がないと思われますが、私は中学生の頃、そのドラマの主人公アヤちゃんと似た、脊髄性の病気になった女の子が同じクラスにいて、私のその後の人生に大きな影響を与えました。
 私は子供のころ、とても内向的な性格で、他の人と話をするのが苦手でした。しかし、成績がよかったので、先生やクラスメートから学級委員を任されました。そんなころ、その女の子が転校してきました。その女の子は病気のため、体が不自由であり、学級委員としての私は、彼女のお世話をしなければなりませんでした。彼女はまっすぐに歩くことさえできませんでしたが、歩くのは一番好きだといつも私に言っていました。また、言葉も少しはっきりしませんでしたが、一言一言自分の考えを皆にゆっくり伝えてくれました。私はよく彼女に自分のノートを貸してあげるなどして、勉強を手伝ってあげました。
 彼女はおそらく自分の不幸な運命に対し、悩み苦しんでいたと思います。しかし、彼女は他の人に対して、いつも明るく前向きに振舞っていました。もちろん、人から冷やかされた時には涙も見せましたが、その後は笑顔で皆に接してくれました。
 そんな彼女の姿を見て、健康な私は、それまでどちらかと言えば、消極的な生活を送っており、以来彼女を見習って明るく積極的に生きようと決心したのです。
 ドラマ「1リットルの涙」では、主人公のアヤちゃんは自分の病気が「不治の病」であることを知らされ、一旦は絶望したものの、その後自分に残された時間を病気の進行と戦いながら、前向きに生き抜きました。私はこのドラマを見て、その体の不自由な女の子のことを思い出しましたが、考えてみると、その子との出会いによって、私は人生を前向きに生きることの大切さを教わりました。その後、私は勉強にも一生懸命取り組み、大学では日本語を専攻することになりました。高校時代に、担任の先生から日本文化に関する話を聞いて興味を持ち、同時に日本人の勤勉さにも学んでいきたいと思ったからです。
私は今後、人生の中で、さまざまな困難に出会うことになるでしょう。自分の思うようにならなくて落ち込んだり、進む道がわからなくて悩み苦しむかもしれません。しかし、「人生いたるところ青山あり」という言葉があります。私よりもっとたいへんな境遇にいても、くじけることなくがんばっている人たちがいます。私の人生も自分の心がけ次第で、目標を1つ1つ実現することができるのではないかと思うようになりました。
これから先、日本語や日本文化に対する理解を深めながら、より充実した自分の人生を送るために、精一杯努力をしていくつもりです。
 私の人生を変えた出会いに心から感謝しています。 


ページ上部へ