受賞年月
平成29年2月
受賞理由
世界の災害研究の第一人者として、高い志を持って40年以上、学術研究を推進し、防災・減災・縮災学の学問領域を確立、さらに、実践科学(Implementation Science)として国内外において安全・安心社会の構築に貢献。
受賞者の経歴
【主な職業】
関西大学理事・梅田キャンパス長・社会安全研究センター長・特別任命教授(チェアプロフェッサー)
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長
京都大学名誉教授
【学 歴】
1969年3月 京都大学工学部土木工学科卒業
1971年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程土木工学専攻修了
1974年3月 京都大学大学院工学研究科博士課程土木工学専攻単位取得退学
1972年3月 慶應義塾大学医学部医学科卒業
【学位・称号】
京都大学工学博士(1976年)
【経 歴】
1974年 4月 京都大学防災研究所助手
1976年 11月 京都大学防災研究所助教授
1981年 10月 米国・ワシントン大学招聘研究員(~1982年10月)
1992年 8月 米国・プリンストン大学フルブライト上級研究員(~1992年10月)
1993年 4月 京都大学防災研究所教授
1993年 4月 京都大学大学院工学研究科教授(~1998年 3月)
1996年 5月 巨大災害研究センター長(~2005年3月)
1998年 4月 京都大学大学院情報学研究科教授(~2009年3月)
2005年 4月 京都大学防災研究所長(~2007年3月)
2005年 4月 京都大学教育・研究評議員(~2007年3月)
2005年 4月 関西大学経営審議会委員(~2008年9月)
2006年 4月 京都大学経営審議会委員(~2007年3月)
2007年 4月 巨大災害研究センター長(~2009年3月)
2008年 10月 関西大学理事(~現在に至る)
2009年 3月 京都大学退職(京都大学名誉教授となる)
2009年 4月 関西大学環境都市工学部教授
2010年 4月 関西大学社会安全学部教授
2010年 4月 関西大学社会安全学部長(初代)(~2012年9月)
2010年 4月 関西大学大学院社会安全研究科長(初代)(~2012年9月)
2012年 10月 関西大学社会安全研究センター長(初代)(~現在に至る)
2016年 4月 関西大学特別任命教授(チェアプロフェッサー)(~現在に至る)
2016年 10月 関西大学梅田キャンパス長(~現在に至る)
【兼 任】
2002年4月 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長(初代)(現在に至る)、 公益財団法人 ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長
2008年4月 大阪大学接合科学研究所招聘教授(~2010年3月)
2010年4月 兵庫県立大学特任教授(~現在に至る)
上記のほかに、茨城大学・大阪大学・名古屋工業大学で非常勤講師(各1年間)
【現在の社会・委員会活動等】
土木学会調査研究部門/原子力土木委員会/J232津波評価部会(fⅡ)委員・調査研究部門/構造工学委員会/鉄道工学連絡小委員会/委員・企画部門/論説委員会委員・調査研究部門/海岸工学委員会相談役、日本災害情報学会理事、日本自然災害学会理事・評議員、国際災害学会(Natural Hazard Society)、地震工学委員会委員、日本学術会議自然災害工学専門委員会委員、ASCE(アメリカ土木学会)、IAHR(国際水理学会)、内閣府中央防災会議専門委員・中央防災会議防災対策実行会議委員、大阪府防災会議委員、新潟県防災立県戦略顧問、兵庫県ひょうご安全の日推進委員会委員・企画委員長、兵庫県防災会議地震対策計画専門委員会副委員長、三重県防災会議専門部会「防災・減災検討会議」委員長、奈良県地域防災計画検討会議委員長、高知県石油基地等地震・津波対策検討準備会委員長、高知県南海トラフ地震対策推進本部アドバイザー、大阪市大阪港地震・津波対策連絡会議アドバイザー、堺市防災会議地域防災計画検討会議委員長、鳥取県政アドバイザリースタッフ、(独)日本学術振興会平成28年度博士課程教育リーディングプログラム委員会専門委員、(独)大学評価・学位授与機構・国立大学教育研究評価委員会専門委員、近畿圏広域地方計画有識者会議委員、全国知事会地方自治先進政策センター・頭脳センター専門委員、(財)防災研究協会・業務運営委員、(社)日本プロジェクト産業協議会・日本創成委員会/特別委員会(緊急タスクフォース)副委員長、防災委員長、(公益)関西エネルギー・リサイクル科学研究振興財団選考委員、関西広域連合・我が国の防災・減災体制のあり方に関する懇話会委員長、中小企業世界発信プロジェクト推進協議会委員、世界発信コンペティション分野別審査委員、日本地震学会・国際測地学協会及び地震学・地球内部物理学協会合同総会開催にかかる組織委員会委員、NPO法人・大規模災害対策研究機構理事長、NPO法人・環境防災総合政策研究機構理事長、NPO法人・人・街・家 安全支援機構理事長等。
【歴任した社会・委員会活動等】
日本災害情報学会会長、日本自然災害学会会長、土木学会海岸工学委員長、日本学術会議自然災害工学専門委員会委員長・連携会員、国際災害学会(Natural Hazard Society)副会長、東海・東南海・南海地震津波研究会会長、科学技術・学術審議会委員(文部科学省)、地震調査研究推進本部政策委員・地震調査委員会津波評価部会委員(文部科学省)、総合科学技術会議委員(内閣府)、東京圏の中枢機能のバックアップに関する検討会委員(国土交通省)、国土審議会特別委員(国土交通省)、気候変動への適応に対するODAに関する有識者会議(外務省)、津波検討委員会委員長(北海道開発局)、宇宙利用ミッション推進委員会委員(独)(宇宙航空研究開発機構)、機関評価会議委員(独)(海洋研究開発機構)のほかに、国土交通省・文部科学省・外務省・内閣府・内閣官房・消防庁・気象庁・静岡県・愛知県・三重県・岐阜県・兵庫県・大阪府・京都府・奈良県・和歌山県・岡山県・高知県・新潟県・大阪市・神戸市・京都市・堺市・宇治市・名古屋市・長岡市・富山市などの各種委員
【過去における表彰】
1991年 10月 日本自然災害学会学術賞
1992年 5月 土木学会論文賞
2002年 5月 兵庫県防災功労者表彰
2006年 9月 防災功労者防災担当大臣表彰
2007年 10月 国連SASAKAWA防災賞
2009年 9月 防災功労者内閣総理大臣表彰
2010年 5月 土木学会出版文化賞
2010年 11月 兵庫県社会賞
2011年 6月 和歌山県知事表彰
2013年 6月 読者と選ぶ「建築と社会」賞
2013年 10月 日本防災士機構功労表彰
2014年 5月 兵庫県県勢高揚功労表彰
2016年 6月 土木学会功績賞
主要論文・著書・国際会議・招待講演等:
(1)主要論文・報告・解説・巻頭言(789編、最近の10編掲載)
①An attempt at quantifying disaster damage based on the use of collective intelligence, Kawata, Y., Journal of Disaster Research, Vol.11, 816-829, 2016
②南海トラフ巨大地震による石油燃料の供給支障~精油所の原油処理能力の低下~、橋富彰吾・河田惠昭、災害情報、No.14 、154-162、2016
③基礎自治体における災害時の業務継続対策の実施~自治体へのアンケート結果の分析~、陸川貴之・河田惠昭、災害情報、No.14 、174-184、2016
④日本の災害対策の到達点と今後の課題、河田惠昭、公衆衛生、第80巻、第9号、630-635、2016
⑤. 国土計画と防災、河田惠昭、土地総合研究、第24巻、第2号、19-26、2016
⑥災害対策基本法では「国難」に対処できない、河田惠昭、明日への選択、第364号、4-9、2016
⑦今後の防災・減災・縮災を考える、河田惠昭、消防科学と情報、No.123,10-20、2016
⑧災害リスクと国土強靭化、河田惠昭、水道公論、第52巻、第3号、43-48、2016
⑨巻頭言 阪神・淡路大震災20周年に臨んで~この災害から学び、減災社会(Resilient Society)を実現する、河田惠昭、自然災害科学、Vol.33、No.4、327-336、2015
⑩自治体の災害対応行動計画策定に資するネットワーク図原型の形成ー阪神・淡路大震災を事例としてー、古林智宏・河田惠昭、災害情報、No.13、34-47、2015
(2)著書(74冊。うち10冊掲載)
【単著】
①日本水没:朝日新書、302頁、2016
②新時代の企業防災~3.11の教訓に学ぶ地震対策~:中災防新書、280頁、2013
③津波災害―減災社会を築く:岩波新書、189頁、2010年
④これからの防災・減災がわかる本:岩波ジュニア新書、224頁、2008年
⑤都市大災害:近未来社、232頁、1995年
【共著】
①巨大災害としての東日本大震災:東日本大震災復興5年目の検証、ミネルヴァ書房、1-28頁、2016
②予防への災害リスク評価法:リスク管理のための社会安全学、ミネルヴァ書房、85-106頁、2015
③序章 巨大災害に備える新しい知見と指針 ぎょうせい、2-5, 18-21, 42-45, 46-53, 106-107, 234-237, 240-243, 362-365,516-517頁、2015
④百年後のふるさとを守る:国語教科書(小学5年生)、光村図書、157-169頁、2011-2018
⑤東日本大震災における市町村再編災害:市町村合併による防災力空洞化、ミネルヴァ書房、3-22頁、2013
(3)国際会議等での基調講演(2009年以降31 回。うち5回分掲載)
①The Roles of GEOINT for Effective Tsunami Disaster Management:8th Annual Geospatial Intelligence for National Security、シンガポール・Amada Hotel、2015.9.2
②Economic Restoration after Disasters in Developing Countries:Forum for International Recovery Platform、ホテルオークラ神戸、2015.1.17
③Emergency Management of Mega-Disasters as National Crisis:International Symposium on Disaster Reconstruction, 朱鷺メッセ、2014.10.21
④Reconstruction from The 3.11 East Japan Earthquake:The 2nd Symposium on Disaster Reduction and Economics、.米国・ワシントン世界銀行本部、2014.9.21
⑤Utilization of Disaster Lessons Learned by The 2011 Great East Japan Earthquake for Next Catastrophic Disasters,The 4th Integrated Risk Management、ニューキャッスル大学(英国)、2013.9.5
(4)招待講演(2009年以降732回。うち5回分掲載)
①新たなステージに入った災害発生と減災・縮災対策:北海道大学防災シンポジウム(札幌市)、2015年11月6日
②阪神・淡路大震災から20年 大学の役割・社会貢献:大学行政管理学会定期総会・研究集会(吹田市)、2015年9月6日
③富山県と高岡市で心配な災害と日常防災:高岡市防災講演会(高岡市)、2015年5月29日
④津波災害の歴史―先人の対処法―:佛教大学四条センター講座(京都市)、2015年2月7日
⑤これからの企業を襲う天変、地変とレジリエント対策:東洋経済経営戦略フォーラム(東京都)、 2014年12月5日
受賞者の業績
氏の約40年間にわたる学術的および社会的業績は、次の5つにまとめることができる。
1)防災・減災・縮災学の学術・研究分野の確立
およそ40年間に及ぶ自然災害研究を進めながら、10年単位で、学術研究業績を挙げてきた。まず、災害のメカニズムの解明に研究努力を集中し、①高波浪の現地観測手法の確立と風波の数値予知法の開発、およびその成果を適用した、東京電力柏崎・刈羽原子力発電所の港湾施設設計、②各種海岸侵食制御工法の原理の解明と人工海浜の造成手法(例:和歌山県白良浜)や新型離岸堤工法(例:富山県黒部海岸)などの開発、③巨大津波・高潮災害の歴史的変遷と対策の推進に寄与した。
つぎに、わが国の巨大災害は大都市で起こるとの仮説のもとで、世界で初めての都市災害の研究者として研究活動を集中し、1995年阪神・淡路大震災に遭遇することになった。その予見の正しさが実証され、研究成果の実践性を高めることになった。中でも、災害研究では、物理的課題と社会的課題に分けた研究区分では不十分で、両者にまたがる情報課題の重要性を明らかにした。そして、40年にわたる学術研究活動を通して、これら3課題からなる防災・減災・縮災学の学術・研究体系を確立することができた。その研究過程では、表のような新たな学術専門用語を定義してきた。ここに、防災(Disaster Prevention)とは、被害をゼロにすること、減災(Disaster Reduction)とは、被害の最小化を図ること、縮災(Disaster Resilience)とは、災害が起こることを前提にして、被害からの回復を早めることを含む減災であると定義した。
これらの成果は、たとえば2015年に出版された阪神・淡路大震災20周年事業の一つである、わが国を代表する災害研究者・実務者125名の執筆による「災害対策全書(別冊)」(ぎょうせい、A4版645頁)の出版に結実しており、その「国難」となる巨大災害に備える編集会議の編集長を河田惠昭が務めた。
2)防災・減災・縮災学分野の研究・教育活動の充実・発展と成果の社会還元
1999年4月に(故)廣井 脩氏(東京大学教授)と協力して、日本災害情報学会を立ち上げ、会長・理事として現在に至るまで、災害情報学に関する学会活動を推進し、会員数900名を擁するわが国最大の災害関連学会に育てた。この功績を顕彰して、2014年には、学会の年次学術講演会における若手優秀発表者に「河田賞」が授与される表彰制度が発足した。また、日本自然災害学会の会長・理事・評議員として、学術研究としての自然災害研究を推進し、長年にわたる学会事務局担当理事として運営支援と学会活動の充実に貢献した。これら2つの学会の会長職を歴任したのは、河田惠昭のほかにいない。
さらに、全国組織である(旧)文部省「自然災害総合研究班」の事務局を長年にわたり担当し、本部幹事として、北海道大学、東北大学、埼玉大学、名古屋大学、京都大学および九州大学に設置された自然災害科学資料センターを拠点としたネットワーク的研究推進に寄与した。そして、1995年阪神・淡路大震災に際して、国家プロジェクトとして、都市地震災害に関する日米共同研究を5年以上継続・発展して、わが国が防災研究の世界的トップランナーになる基礎を作った。
京都大学を定年退職後は、それらの研究成果を結実する形で、関西大学社会安全学部、社会安全研究科を2010年に同時開設し、社会が必要とする危機管理に関する人材を輩出する高等教育機関をわが国で初めて発足・充実させた。
3)政府・自治体の防災行政を通した安全・安心社会実現の努力
わが国の2001年の省庁再編に際して発足した中央防災会議の専門委員として、過去16年にわたって 表のように委員を務め、わが国の防災力の強化に寄与した。とくに、2011年東日本大震災に際しては、その復興構想会議の委員として、減災政策を提案し、その後の2度にわたる災害対策基本法の改正に貢献した。また、同時に「東日本太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」の座長として、被災地復興の基本コンセプトとなる、レベル1津波とレベル2津波による減災の考え方を採用し、「津波災害にかかわる地域づくりに関する法律」への改正を主導し、多重防御、高台移転、絆などの考え方の普及に努めた。
さらに、都道府県レベルの自治体の地域防災計画の策定などに際しては、阪神・淡路大震災後、現在に至る22年間にわたって、三重県、和歌山県、奈良県、大阪府、兵庫県、高知県で委員長を務め、北海道、新潟県や静岡県など多くの都道府県でも各種災害対策委員などを歴任し、地方の防災行政推進に寄与した。また、仙台市、神戸市、大阪市、堺市、京都市、福岡市をはじめとした政令指定都市や多くの基礎自治体でも災害関連の委員会の委員長などを歴任し、防災行政の充実に貢献した。
4)阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターを中心とした防災・減災・縮災学の世界的実践活動拠点形成
1995年阪神・淡路大震災に際し、国内外からいただいた多大な支援への感謝を具体化するため、政府と兵庫県の努力によって、人と防災未来センターは、この震災の教訓を21世紀と世界に発信するという目的で2002年に発足した。河田恵昭は、この震災の学術調査を先頭に立って推進し、かつ被災地の復旧・復興事業に積極的に参画したことが評価され、同センター創設の2年前から兵庫県の参与として開設準備室長となり、発足後は現在に至るまでセンター長として活躍し、2016年7月には700万人の来場者を数えるなど、今日の隆盛に貢献してきた。
このセンターは、1)展示、2)資料収集・保存、3)実践的な防災研究と若手専門家の育成、4)災害対策専門職員の育成、5)災害対応の現地支援・現地調査および6)交流・ネットワークという6つのミッションをもつ、世界的にも珍しいミュージアムとなっており、かつ研究・交流のハブ機能をもつ活動拠点にもなっている。それぞれのミッションでは、5年単位の中期目標を立て、毎年、自己点検評価と外部委員による事業評価を開設以来、それぞれ16回開催し、阪神・淡路大震災の教訓を風化させない努力を継続してきた。
さらに、このセンターの総合的かつユニークな取り組みは、国連国際防災戦略(UNISDR)でも高く評価され、2015年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議の仙台防災枠組みにおいて、創造的復興(Build Back Better)の形で結実し、2030年までの行動目標の1つとして採択された。
5)世界の防災・減災努力継続への国際貢献
先進国と途上国の突発災害調査、たとえば、1991年バングラデシュ・高潮災害(14万3千人死亡)、2001年ニューヨーク同時多発テロ事件(2,850人死亡)、2004年インド洋大津波災害(23万6千人死亡)、2005年米国・ハリケーン・カトリーナ高潮災害(1,800人死亡、12.5兆円の経済被害)、2008年中国・四川大震災(8万7千人死亡)、2012年米国・ハリケーン・サンディ高潮災害(8兆円の経済被害)などの現地調査と、防災に関する国連や各国の関係大臣会合、国際会議・シンポジウム・フォーラム等での基調講演などに関係して、約400回(80カ国)も海外渡航し、国際防災研究とその成果の普及に努め、わが国が先導する地位を築いてきた。
また、神戸に立地する防災・健康・環境に関するおよそ20の国際機関からなる国際防災・人道支援協議会(Disaster Reduction Alliance, DRA)を2001年に立ち上げて、会長および会長代理として活動を主導してきた。それらの成果は、国際協力機構(JICA)の草の根援助事業として具体化し、また、国際通貨基金(IMF)や世界銀行(World Bank)の途上国援助における防災の主流化(援助事業と同時に防災事業を立ち上げ、経済開発努力が災害発生によって無に帰さないようにする)に貢献してきた。
さらに、日本政府が提案し、2015年12月に国連本会議で、全会一致で11月5日が「世界津波の日」と制定されたことに伴い、その中心的行事は「濱口梧陵国際賞」の制定(選考委員長は河田惠昭が就任)とそれに伴う世界の津波防災・減災・縮災事業の推進にあることを自由民主党と外務省、内閣官房、内閣府、国土交通省、和歌山県間で合意を図り、防災科学技術研究所など関係5学会・組識の後援を得ることに寄与した。これによって「稲むらの火」の主人公である濱口梧陵を津波防災と復興に寄与した偉人として国際的に公知していただく事業が発足し、第一回の表彰式が2016年10月31日に東京で挙行された。