受賞年月
平成19年2月
受賞理由
多年、我が国の学術、教育、文化及び地域の振興に寄与するとともに、広く国際交流に尽くした功績
受賞者の経歴
【学歴】
昭和15年 3月 長崎県立佐世保中学校卒業
昭和17年 9月 旧制佐賀高等学校卒業
昭和21年 9月 九州大学医学部卒業
昭和23年 9月 九州大学大学院特別研究生前期修了
昭和26年 2月 医学博士
昭和35年 8月 フルブライト留学生としてアメリカ・ハーバード大学医学部へ留学(昭和37年2月まで)
【職歴】
昭和24年 4月 九州大学医学部助手
昭和28年 4月 九州大学医学部講師
昭和28年 8月 九州大学医学部助教授
昭和38年 2月 九州大学医学部教授
昭和50年 1月 九州大学医学部長(昭和52年12月まで)
昭和56年11月 九州大学学長(昭和61年9月まで)
昭和56年11月 (財)国立大学協会理事(昭和61年9月まで)
昭和57年 3月 (財)大学基準協会理事(昭和61年9月まで)
昭和57年 4月 学校法人産業医科大学理事(現在に至る)
昭和57年 5月 文部省大学設置審議会委員(昭和61年9月まで)
昭和60年 3月 (財)西日本国際財団理事(現在に至る)
昭和60年 6月 アジア太平洋博覧会テーマ委員会委員長(昭和60年7月まで)
昭和60年 8月 (財)九州・山口地域企業育成基金理事(現在に至る)
昭和61年 3月 (財)国立大学協会副会長(昭和61年9月まで)
昭和61年11月 九州大学名誉教授
昭和62年 4月 福岡日英協会常任理事(現在に至る)
昭和62年 8月 九州厚生年金病院顧問(平成12年6月まで)
昭和62年 9月 文部省大学審議会委員・大学教育部会長(平成3年9月まで)
平成 元年 4月 文部省中央教育審議会委員【第14期】(平成2年3月まで)
平成 元年 4月 総合研究大学院大学運営審議会委員(平成12年3月まで)
平成 元年 5月 九州交響楽団理事長(平成16年5月まで)
平成 元年 5月 (株)九州システムアカデミー社長(平成9年6月まで)
平成 元年 5月 ガリオア・フルブライト同窓会理事・九州同窓会支部長(平成6年6月まで、現在同窓会名誉会長)
平成 元年 9月 (財)国際東アジア研究センター理事長(平成17年6月まで、現在名誉理事長)
平成 元年 9月 (財)九州産業技術センター理事(現在に至る)
平成 2年 4月 福岡都市圏ボーイスカウト振興会会長(平成14年6月まで)
平成 2年 7月 学校法人九州学園理事(平成12年1月まで)
平成 2年 8月 北九州国際交流協会評議員(平成17年6月まで)
平成 3年 3月 学校法人福岡歯科学園理事(現在に至る)
平成 3年 6月 九州市民大学学長(現在に至る)
平成 3年 7月 学位授与機構評議員(平成11年7月まで)
平成 4年 4月 学校法人福岡大学評議員(現在に至る)
平成 4年 4月 ユニバーシアード福岡大会市民の会会長(平成6年10月まで)
平成 4年10月 九州ゴルフ倶楽部八幡コース理事長(現在に至る)
平成 4年12月 学校法人福岡歯科学園理事長(現在に至る)
平成 5年 3月 日本私立大学協会理事(現在に至る)
平成 5年 3月 福岡スポーツマンクラブ会長(現在に至る)
平成 6年 1月 日本私立大学協会常務理事(現在に至る)
平成 6年 6月 ㈱アトル監査役(現在に至る)
平成 6年 9月 (財)旭硝子財団理事(現在に至る)
平成 6年 9月 公益信託椎木正和記念アジア留学生奨学基金運営委員長(現在に至る)
平成 7年 3月 アビスパ福岡後援会長(平成14年2月まで)
平成 7年 4月 (株)富士レビオ顧問(平成11年3月まで)
平成 8年 4月 福岡音楽学院後援会会長(現在に至る)
平成 8年 4月 福岡上海倶楽部理事(現在に至る)
平成 8年 6月 学士会評議員(現在に至る)
平成 9年 5月 九州フィンランド協会会長(平成14年3月まで)
平成 9年 5月 新日鐵八幡記念病院理事(現在に至る)
平成 9年10月 TNC文化大学学長(現在に至る)
平成10年 4月 福岡市総合図書館館長(平成14年3月まで)
平成10年10月 ライフケア大手門(社会福祉法人 桜花会)理事・評議員(現在に至る)
平成10年10月 日本会議福岡会長(現在に至る)
平成11年 7月 福岡ロータリークラブ会長(平成12年6月まで)
平成12年 7月 国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議人事制度委員会副主査(平成14年3月まで)
平成14年 8月 社会福祉法人学而会理事長、理事、評議員(現在に至る)
【受章・受賞】
昭和53年 西日本文化賞受賞
昭和62年 日本動脈硬化学会大島賞受賞
平成 8年 勲一等瑞宝章受章
受賞者の業績
『研究業績』
氏の研究は、病理学全般にわたり幅広く秀でた業績を挙げているが、特に動脈硬化、血栓症、凝固・線溶、癌転移の実験並びに臨床病理学的研究における業績は国際的に高く評価されている。なかでも、動脈硬化症の研究では、従来の光学顕微鏡的並びに電子顕微鏡的手法に加えて、免疫組織化学的、生化学的手法を駆使して、動脈硬化症の血栓原説を発展させ、血管内膜障害に引き続く血小板の粘着・凝集とフィブリン沈着が内膜に侵入した中膜由来平滑筋細胞の増殖を惹起せしめ、動脈硬化巣に進展することを生体内外で証明し、動脈硬化の凝固線溶系異常学説を提唱したことが高く評価されている。また、動脈硬化症の臨床病理学的研究において、国内外の研究組織を構成し、動脈硬化症の発生病理並びに危険因子を解析し、地理病理学的研究の指導者としての役割を果たし、その研究成果は世界的に高く評価され、動脈硬化症の研究を大きく飛躍させた。特に全国規模で行われたわが国の小児、若年者動脈硬化の病理学的実態調査や福岡県久山町の疫学調査を基盤にした剖検症例の検討は、わが国の心筋梗塞、脳梗塞並びに脳出血や動脈硬化性動脈瘤などの成人病の予防、診断、治療法の確立のための基礎的研究となった。その折の研究班に参画した基礎、臨床医科学者が現在の動脈硬化学、脈管学の分野のリーダーとして活躍し、この方面の研究、診療の発展に貢献していることからも、同氏がわが国における動脈硬化研究の進歩に果たした指導性がいかに偉大であったかが明らかである。さらに多くの国内外での国際学会開催を企画、運営し、日本の動脈硬化研究を国際水準に引き上げるうえで大きく貢献した。これらの業績に対して昭和62年には日本動脈硬化学会大島賞を受賞した。動脈硬化症以外の研究においても、血栓症、癌の転移、臓器炎等の多方面にわたり秀でた業績を挙げ、特に、病理学的研究の基礎的業績となる凝固・線溶現象の病理学的意義に対して、昭和53年には西日本文化賞を受賞した。
学会活動としては、日本血栓止血学会、日本老年医学会、日本動脈硬化学会の会長もしくは会頭、さらに国際血栓止血学会副会長、日本病理学会、日本脈管学会、日本成人病学会、日本胸部疾患学会、日本肺癌学会、日本循環器学会、日本脳卒中学会等の多くの学会の役員を歴任するとともに、多くの国際医学雑誌の編集委員を勤める等、国内外にわたり活発な学会活動に尽力した。
同氏は、研究・教育者の育成にも努め、同氏の指導を受けた者の中から、九州大学をはじめ他大学の教授となった者、その他多数の優秀な研究・教育者、臨床医を輩出しており、各地で活躍している。
『大学の管理運営』
(1)九州大学においては、同大学評議員、医学部長、医療技術短期大学部学長を歴任するとともに、海外学術交流委員会委員、入学試験審議会委員等々の学内各種委員会委員及び医学部附属動物実験施設長、胸部疾患研究施設長、医学部附属病院病理部長等を歴任し、大学並びに医学部、医学部附属病院の管理運営に参画し、多大の貢献をした。特に、昭和56年11月学長就任後は、「世界の九州大学」を目指して、筑紫地区キャンパスの整備、留学生教育センター、日本語教育センター等の整備や生体防御医学研究所、地熱開発センター、中央分析センター、超伝導マグネット研究センター、島原地震火山観測所、遺伝情報実験施設等、研究施設の設置及び大学院医学研究科の改組、その他の施設の整備等、教育・研究体制の充実に尽力するとともに学術交流の国際化を積極的に推進し、北京大学、ミュンヘン大学、アラバマ大学等、アジア、ヨーロッパ、北・中米の6カ国11大学と学術交流協定を締結し、同大学の発展、国際化に貢献した。
(2) 平成3年3月に理事、平成4年12月に理事長に就任した福岡歯科学園においては、少子化、高齢化、教育の大衆化、歯科医師需給等、私立歯科大学を取り巻く情勢が極めて厳しい状況下、同学園の教育・研究・診療についての自己点検評価を踏まえ、「学生が意欲を持って学び、卒業生が誇れる母校、地域の歯科医療・保健・福祉への貢献、医歯学の進展への寄与」をモットーに、「福岡歯科学園の新世紀へむけての将来構想」(平成12年8月)、「福岡歯科学園の中期構想」(平成16年5月、平成17年11月一部改訂)を掲げ、その実現のため教職員を統率し諸施策を断行した。また、中期財政計画を立案し、事務組織の統廃合、業務のアウトソーシングなどをいち早く取り入れ、学園運営の基盤となる財務の健全化を確立した功績は極めて大きい。予算配分についても、平成6年から学長重点配分経費、病院長重点配分経費を設け、教育・研究経費の重点配分を実施した。一方、将来計画を実現するため、平成5年からキャンパス周辺が市街化する中、隣接地の取得を開始し、約10,000㎡に及ぶ用地の拡充を果たした。さらに、取得した校地に、平成14年8月に介護老人保健施設を、翌年10月に介護老人福祉施設(社会福祉法人学而会が運営)を設置、高齢社会における大学の地域貢献及び教育・研究の場として活用するなど、わが国の先駆的取組み事例として全国の注目を集めている。また、平成16年7月から、教職員が設定した目標の達成度やその業績、意欲・態度等を評価し、教職員が有する能力を育成・活用することによって学園の活性化を図るとともに、その結果を処遇に適正に反映させることを目的として教職員の人事考課を実施・確立した。さらに、翌年4月からは全教員を対象にした教員任期制を導入するなど、学園の将来を見据えての諸策を提言、実行した手腕は高く評価される。
科学の進歩、歯科医療の変化、社会の変化に対応できる弾力的な教員組織作りを目指し、他歯科大学に先駆けて平成13年4月に4部門、13講座、30分野からなる大講座制に改組した。併せて教員の流動化と重点領域への重点配置による大学活性化を図るため「重点配置教員」、大学院卒後の優秀な人材確保を目的に「大学院卒後助手」制度を取り入れた。
研究面では、研究の高度化のため申請した同大学の共同研究プロジェクト「疾患における遺伝的、環境的要因の相互作用とその制御」が平成10年4月、文部科学省から「学術フロンティア推進拠点」として選定され、新しい発癌抑制遺伝子の発見等の研究成果により、平成15年8月、同事業は継続事業として選定された。
診療面では、平成17年1月に中期構想に掲げた「口腔医学の確立」の一環として、附属病院名を「福岡歯科大学医科歯科総合病院」に改称するとともに、同年4月から心療内科を開設、19年4月からは「耳鼻咽喉科」、「口腔顔面美容医療センター」の開設などを予定するなど隣接
医科の充実を図っている。
また、質の高い歯科衛生士養成のため、平成9年4月併設していた専門学校を改組し、福岡医療短期大学・歯科衛生学科(入学定員80人・2年制、平成15年4月から3年制に改変)を開学した。引き続き、平成12年4月に同短大に介護福祉士を養成する保健福祉学科(入学定員60人)を開設した。保健福祉学科開設後、同氏が推奨した「要介護者の口腔ケア(口腔介護)」を実践できる歯科衛生士、介護福祉士の育成を目的に両学科の相互乗り入れ授業を行っていたが、この「学科間相互乗り入れ授業による口腔介護教育」が平成18年度特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)に選定された。
国際交流については、福岡市の地理的条件を勘案し、真の交流を実現するため、東アジア地区の大学との交流に重点を置き、福岡歯科大学は平成16年4月に中国の上海第二医科大学口腔医学院(上海交通大学に改称)、同年10月にミャンマーのヤンゴン歯科大学、翌年4月に韓国の慶熙大学校歯医学専門大学院と国際交流協定を締結、福岡医療短期大学は平成16年12月に韓国の東釜山大学と国際交流協定を締結した。締結後は、教員、学生、事務職員の相互交流を実施、共同研究や単位互換などの検討を進めている。
学外においては平成5年3月、日本私立大学協会理事、平成6年1月には同協会常務理事に就任するなど、西日本唯一の私立歯科大学としての福岡歯科学園の発展・充実のみならず、わが国の私学振興への貢献は誠に顕著である。
『文部科学省等の委員等』
同氏は、学外において国立大学協会副会長、大学設置審議会委員、学術審議会専門委員、大学入試改善協議会委員、大学入試センター評議員、大学審議会委員、中央教育審議会委員、総合研究大学院大学運営委員、学位授与機構評議員、大学基準協会理事、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議人事制度委員会副主査、産業医科大学理事、福岡大学評議員、九州・山口地域企業育成基金
理事などを歴任し、我が国の科学技術の発展、大学の管理運営、教育改革に多大の貢献をした。なかでも大学審議会大学教育部会部会長として大学設置基準の大綱化、自己点検・評価の努力義務規定化などをとりまとめ、また大学院部会部会長代理として大学院の量的整備、質的向上など大学院活性化の基本方針策定に参画し、今日の大学、大学院教育の基本方針の改善に果たした功績は特筆される。さらに、国立大学協会入試改善特別委員会委員長、大学入試センター評議員として国立大学の受験機会の複数化を実現した。加えて国立大学の独立行政法人化に際して、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議人事制度委員会副主査として教員の多彩な活動と潜在的能力の発揮を可能とし、産学連携や地域貢献に資する教員の学外活動を促進する兼職・兼業規制の緩和などの人事システム導入に尽力した功績は大いに評価される。
『国際東アジア研究センター理事長等』
同氏は、北九州市がかねて推進してきた大学誘致の計画を、その豊かな国際学術交流の知識、経験を生かして全面的に支援し、産・官・学一体となった組織の中心となって、東アジア地域の経済・社会問題を研究する財団法人国際東アジア研究センターの設立に参画した。同センターは、アメリカ有数の総合大学であるペンシルバニア大学の共同研究機関として設立されたものであり、日米共同による本格的研究機関開設構想実現の上で多大の貢献をなした。設立後は、理事長として、財団法人の管理・運営及び研究推進の両面に取り組んできた。
研究活動に関しては、アメリカ、日本の研究者はもとより、東アジアの各国・地域の研究者をネットワークする国際色豊かな研究集団を構築し、東アジア地域の経済・社会問題に関する学際的かつ実際的な研究を行い、また、現地調査・共同研究の促進、さらには教育協力によって研究者間の交流を活発化するため、対外経済政策研究院(韓国)、上海社会科学院、復旦大学社会発展・公共政策学院(中国)、中華経済研究院(台湾)などの東アジアの研究機関と交流協定を締結した。さらに、アジアの経済・社会・文化などに関する市民向けの講演会「アジア講座」やペンシルバニア大学のビジネススクールと提携して、企業経営者層を対象に「ウォートン・エグゼクティブ・プログラムin北九州」を平成10年1月から毎年開催し、地元経営者のマネジメント・スキル向上を図っている。その他、海外の研究機関・大学から、研究業績等で注目を浴びている研究者を1~ 3ヶ月間招聘し、研究交流を行うため、平成13年度から短期招聘外国人客員研究員制度を発足させた。
以上のとおり、同氏は、財団法人東アジア研究センターの理事長として、研究センターの業績発展に尽力したのみならず、北九州市の国際化、経済・社会の活性化、知名度向上に多大の貢献をし、その功績により平成17年7月に名誉理事長に就任した。
国際交流、地域の発展等のため、以下のとおり多くの役職に就任し、活躍した功績は大きい。
(1)国際交流関係役職等
1)ガリオア・フルブライト同窓会理事・九州同窓会支部長(現在・同窓会名誉会長)
2)福岡日英協会常任理事
3)九州フィンランド協会会長(平成14年3月まで)
4)日華親善協会顧問
5)公益信託椎木正和記念アジア留学生奨学基金運営委員長
6)国際財団アジア貢献賞委員会委員長
7)福岡上海倶楽部理事
8)北九州国際交流協会評議員(平成17年6月まで)
(2)地域貢献関係役職等
1)福岡市
アジア太平洋博覧会テーマ委員会委員長(昭和60年7月まで)
ユニバーシアード福岡大会市民の会会長(平成6年10月まで)
福岡市総合図書館館長(平成14年3月まで)
2)北九州市
高齢化社会対策推進懇話会委員長
保健医療総合検討委員会医療部会会長(平成4年3月まで)
高齢化社会対策総合計画策定委員会委員長(平成5年3月まで)
少子社会懇談会座長(平成13年3月まで)
少子社会対策推進懇話会座長(平成15年12月まで)
3)九州交響楽団理事長(平成16年5月まで)
4)(財)九州産業技術センター理事
5)福岡都市圏ボーイスカウト振興会会長(平成14年6月まで)
6)九州市民大学学長
7)福岡スポーツマンクラブ会長
8)(財)旭硝子財団理事
9)アビスパ福岡後援会長(平成14年2月まで)
10)学士会評議員
11)TNC文化大学学長
12)社会福祉法人桜花会理事、評議員
13)日本会議福岡会長
14)福岡ロータリークラブ会長(平成12年6月まで)
15) 社会福祉法人学而会理事長、理事、評議員
授 賞 理 由
田中健蔵氏は、昭和24年に九州大学医学部に務め、助手・助教授・教授として優れた人材の育成に努めるとともに、九州大学学長として昭和56年より昭和61年にわたり大学全般の運営の責務を全うした。その後、学校法人産業医科大学理事、学校法人九州学園理事等を経て、現在も学校法人福岡歯科学園理事長として、大学の教育・研究の発展に大きく貢献し、更に大学経営と大学改革の中心的な役割を果たし、その功績は高く評価される。
とりわけ、九州大学学長在任中には、アジア・欧州・北米・中米の6カ国11大学との学術交流協定を締結し、またガリオア・フルブライト九州同窓会を設立するなど、学術の国際交流を積極的に推進している。
また、同氏の専門分野である病理学の研究においても、動脈硬化の分野及び血栓症や癌の転移の分野においての世界的先駆者の一人として、国内外の病理学の発展と隆盛に大きく貢献し、これらの研究業績の評価も極めて高い。また、日本動脈硬化学会会長、日本血栓止血学会会長、日本老年医学会会長を歴任し、更には関連の多くの学会の理事として、学術の振興と国際交流に寄与されてきた。
この間、大学審議会委員、入学試験審議会委員、学術審議会専門委員、中央教育審議会委員、等々各種の審議会・評議会の委員として、また国立大学協会副会長、日本私立大学協会常務理事など、我が国の科学技術の発展と大学の管理運営、教育の改革に多大な貢献をしてきた。
同時に氏は、九州交響楽団理事長、国際東アジア研究センター理事長、九州産業技術センター理事、九州市民大学学長、ユニバーシアード福岡市民の会会長等々、公的・民間を問わず幅広い文化・国際活動を推進している。
このように、氏が多くの文化・学術・国際交流の要職を歴任していることは、氏の高潔な人格と卓越した見識によるものに他ならない。その業績の高い評価と多大な貢献は、広く尊敬の念を集め、その功績もまことに顕著である。