受賞年月
平成28年2月
受賞理由
日本文化の価値を分析しつつ内外に積極的に発信し、海外との知的交流・文化交流を実践するとともに、右を日本の外交戦略として活用するなど、理論と実践の双方のバランスのとれた活動を展開し、国際シンポジウムでの貢献や世界遺産登録など国際舞台で具体的な成果を挙げた数々の功績。
受賞者の経歴
【主な職業】
近藤文化・外交研究所代表、外務省参与(国連安保理改革担当)
東京大学特任教授(法学政治学研究科政策ビジョンセンター)、同志社大学特別顧問・特別客員教授(経済学部)
公益財団法人東京都交響楽団理事長、公益財団法人京都市芸術文化協会理事長、公益財団法人美術文化振興協会会長、
公益社団法人日本舞踊協会会長<一般財団法人長野県文化振興事業団理事長、一般財団法人歴史民俗博物館振興会理事長、 一般社団法人匠プロジェクト代表理事
日墺文化協会会長、日本・デンマーク協会会長
カゴメ株式会社社外取締役、JXホールディングス社外取締役、パソナグループ社外取締役
【学 歴】
1971年3月 東京大学教養学部教養学科イギリス科卒業
【学位・称号】
教養学士
【経 歴】
1972年 外務省入省
1973年 英国オックスフォード大学留学(~1975年)
1975年 外務省海外広報課
1977年 通産省資源エネルギー庁石油部計画課
1980年 外務省経済協力局経済協力第一課 IEA/OECD (経済協力開発機構国際エネルギー機関)
1983年 外務省経済局国際機関第二課首席事務官
1986年 アジア局北東アジア課首席事務官
1987年 事務次官秘書官
1988年 国際報道課長
1990年 在フィリピン大使館参事官
1992年 在米国大使館参事官
1996年 同公使、 外務省経済局総務参事官
1998年 経済局参事官、経済局審議官
1999年 OECD(経済協力開発機構)事務次長
2003年 外務省文化交流部長
2004年 外務省広報文化交流部長
2005年 国際貿易・経済担当大使
2006年 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)日本政府代表部特命全権大使
2007年 ユネスコ世界遺産委員会日本代表委員(~2008年)、 ユネスコ世界遺産委員会選挙方法再考作業部会議長(~2009年)
2008年 駐デンマーク特命全権大使
2010年 文化庁長官(~2013年7月)
2013年 東京芸術大学客員教授、同志社大学客員教授(経済学部)、㈱パソナグループ特別顧問、外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当)、近藤文化・外交研究所設立
2014年 一般財団法人長野県文化振興事業団理事長、東京大学大学院特任教授(法学政治学研究科 政策ビジョンセンター)、慶應義塾大学特別招聘教授(総合政策学部)(~2015年3月)、麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授、京都ノートルダム女子大学客員教授(~27年3月)、公益財団法人美術文化振興協会会長、カゴメ株式会社社外取締役、JXホールディングス社外取締役、一般財団法人歴史民俗博物館振興会理事長、パソナグループ社外取締役、東洋大学客員教授(国際地域学部)、
2015年 公益財団法人東京都交響楽団理事長、日本・デンマーク協会会長、同志社大学特別客員教授、公益社団法人日本舞踊協会会長、一般社団法人匠プロジェクト代表理事、日墺文化協会会長、公益財団法人京都市芸術文化協会理事長、同志社大学特別顧問、外務省参与(国連安保理改革担当)
〈その他〉国際音楽祭NIPPON実行委員会顧問、アークヒルズクラブ理事、アジア太平洋フォーラム・淡路会議理事、創造都市ネットワーク日本顧問、星槎大学客員教授、静岡県三保松原白砂青松保全技術会議委員(座長)、公益財団法人日本漢字能力検定協会理事、公益社団法人企業メセナ協議会助成審査委員会委員長、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりリーディング・アドバイザー、一般社団法人アフリカ協会顧問、㈱森ビル顧問、長野県スーパーグローバルハイスクール運営指導委員会委員長、「日本万博博覧会記念基金事業」審査会委員、日本酒で乾杯推進会議100人委員会委員、公益財団法人サントリー芸術財団サントリーホール企画委員会委員、公益財団法人ロームミュージックファンデーション評議員、公益財団法人松尾育英会理事、公益財団法人松尾芸能振興財団理事、公益財団法人根津美術館評議員、公益社団法人企業メセナ協議会2021芸術・文化による社会創造ファンド選考委員長、公益財団法人かけはし芸術文化振興財団理事、善光寺顧問、兵庫・徳島「鳴門の渦潮」世界遺産登録推進協議会顧問、一般財団法人カルチャー・ビジョン・サミット理事、上野学園大学音楽文化研究センターアドヴァイザリーボード、岡山大学スーパーグローバル・ユニヴァーシティ外部評価委員、長野県信濃美術館整備検討委員会委員、公益財団法人徳川ミュージアム評議員、公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団団評議員、一般社団法人全日本伝統文化後継者育成支援協会名誉顧問、一般社団法人International Bridal Culture Assosiation名誉顧問、古典の日推進委員会委員、山梨県立富士山世界遺産センター顧問、株式会社KAJIMOTOプロジェクトアドバイザー、豊島区国際アート・カルチャー都市懇話会委員長、平泉文化遺産センター名誉館長
【過去における表彰】}
2006年 フランス共和国レジオン・ドヌール・シュバリエ章(日仏文化交流への貢献)
2007年 チリ共和国ベルナルド・オヒギンズ・大十字章(日チリ経済連携協定締結への貢献)
2008年 デンマーク王国ダネブロー勲章大十字章(日本・デンマーク友好関係への貢献)
【主要著書・論文】
<著書>
・『米国報道にみる日本』サイマル出版会 1994年
・『歪められる日本イメージ』サイマル出版会 1997年
・『パリ マルメゾンの森から』かまくら春秋社 2005年
・『歪められる日本イメージ(再版)』かまくら春秋社 2006年
・『文化外交の最前線にて』かまくら春秋社 2008年
・『外交官のア・ラ・カルト』かまくら春秋社 2011年
・『ミネルヴァのふくろうと明日の日本』かまくら春秋社 2012年
・The Owl of Minerva and the Future of Japan,Kamakura Shunju, 2013
・『FUJISAN 世界遺産登録への道』毎日新聞社 2014年
・『世界に伝える日本のこころ』かまくら春秋社(予定)2016年
<共著>
・「グローバリゼーションの進展とサミットの役割」 『新しい世界像』 第12章、世平平和研究所”1998年
・“WTO Negotiations under the Impact of Globalization: The Opportunity and Challenge of Multilateralism in the Twenty-first Centurey,” The WTO: Governance, Dispute Settlement & Developing Countries, Juris Publishing, Inc., 2008 Section V, Chapter 20
・“Wielding Soft Power: The Key Stages of Transmission and Reception,” Soft Power Superpowers: Cultural and National Assets of Japan and the United States, M.E.Sharp, 2008. Part IV, Chapter 11.
・「デンマークの福祉現場から」『福祉の心と形』かまくら春秋社2009年
<論文・投稿>(邦文)
・「石油パニックは防げるか」『日本経済新聞』経済教室 1984年9月15日
・「NICS との共栄めざせ」『日本経済新聞』経済教室 1988年8月20日
・「海外『天皇報道』の五ヶ月」『 Voice 』1989年5月号
・「米国の世論調査・報道論評にみる対日観」『国際問題』1989年10月
・「アキノ経済政策一定の成果」『日本経済新聞』「経済教室」1992年4月25日
・「世界経済のパラダイム・シフトと日本外交」『外交フォーラム』1999年2月号
・「グローバル化で激動の経済 日本はどう舵をとる?」『中央公論』1999年3月号
・「世界は単一ではない:グローバリゼーションに挑む怒りの市民」『This Is 読売』1999年3月号
・「グローバリゼーションと日本の果たす役割」『世界週報』1999年5月11 -18号
・「ケルン・サミットを顧みて」『国民外交』No.163 1999年8月
・「電子商取引:その我が国外交上の意味合い」『日本国際経済法学会年報第8号』1999年9月
・「グローバリゼーション:人類の知的枠組みへの挑戦と日本の役割」『国際問題』2001年8月号
・「サミットの変遷と将来:二一世紀のサミットはどうあるべきか」『国際問題』2002年6月号
・「世界文明フォーラムに向けて」『毎日新聞』発言席 2005年6月19日
・「パブリック・ディプロマシーとメディア・メソドロジー」情報メディア学会第4回研究大会発表 2005年6月25日
・「今こそ本気で文化外交を」(鼎談)『中央公論』2005年10月号
・「芸術の力 世界を変える」(世界アーティストサミット記録)『日本経済新聞』2005年12月17日
・「節目を迎えたWTOのガバナンス」『The World Compass』(インタビュー)2006年2月
・「日本らしいサプライ・チェーン確立を」『日本貿易會月報』2006年3月
・「国民自ら国づくりの主役に」(私の視点)『朝日新聞』2009年11月25日
・「竹村健一の御意見番参上!」(対談)『経済界』2010年11月30日
・「「日本の祭り・ふるさと新潟2010」に寄せて」『第10回地域伝統芸能による豊かなまちづくり大会にいがた事業報告書』2011年3月
・「文化経済学への期待」『文化経済学』文化経済学会 第8巻第1号 2011年3月
・「文化と外交」『国際問題』日本国際問題研究所 2011年4月号
・「近藤誠一文化庁長官に聞く「文化、そして国境」」(対談)『コピライト』No. 600, Vol. 51 社団法人著作権情報センター 2011年4月
・「-コラム-世界遺産登録に寄せて」『世界遺産 年報2014』日本ユネスコ協会連盟
・「文化は如何にしてソフト・パワーとなりうるか?」『国際文化会館会報』2011年6月(第22巻第1号)
・「東北の「文化の力」のベクトルを「復興の力」に向ける」『観光文化』2011年9月(209号)
・「20周年記念シンポジウム基調対談:グローバル時代の文化経済」『文化経済学』第9巻第1号 文化経済学会 2012年3月
・「日本文化のおくゆかしさを世界に伝えたい」『東京人』都市出版 2012年7月号
・「これからの文化芸術の役割」『博物館研究』2013年2月25日(第48巻第3号)
・「文化・芸術の力を生かす」『初等教育資料』2013年3月号
・「世界の中の日本文化」『新国策』2013年6月号
・「国家戦略としての文化創造都市」47『行政ジャーナル』2013年7月2日
・「富士山の世界遺産登録―日本人にとっての意義」『美術年鑑』2013年10月25日
・「富士山が世界遺産となるまでの経緯」季刊誌『環―歴史・環境・文明』第55号2013年秋
・「名を得たらん人に事を細かに問ひて、稽古をいや増しにすべし」『世阿弥のことば一00選』檜書店 2013年12月21日
・「東京を現代の長安にー世界の若いアーティストや学者が集い、交流する場をつくるー」『国際文化会館会報』国際文化会館 2013年12月
・「2015年ユネスコ創造都市世界会議開催に向けて」(シンポジウム記録)『第7回金沢創造都市会議 報告書』2013年12月
・「文化のソフトパワー信じて」『日本経済新聞』「人間発見」2014年6月9日~6月13日
・「文化芸術は国家の重要な「柱」だ」『産経新聞』「正論」2014年6月11日
・「「近代」を使いこなすためには」『産経新聞』「正論」2014年8月22日
・「文明の未来と日本」『モラロジー研究所 所報』モラロジー研究所 2015年2月
・「21世紀:日本の再生、世界への貢献と地方の役割」『全国経済同友会セミナー記録集―戦後70年。地域活性化で日本の再生を』2015年4月
・「伝統工芸文化の価値と評価~染織列島の文化を世界へ」『平成26年度工芸コンテンツ産業活用促進事業 事業報告書』2015年5月
・「文化芸術をもっと外交に生かす必要性」(講演録)『文化芸術』Vol. 04, 2015年4月 文化芸術振興議員連盟
・「文明の未来と日本」『比較文明研究』5第20号、麗澤大学比較文明文化研究センター 第20号 2015年6月
・「21世紀の世界における規範を求めてー世界秩序と国家の役割の進化についての一考察」『国際法の実践』小松一郎大使追悼 柳井俊二・村瀬信也編 信山社 第一部25,2015年6月
・「これからの経済外交とパブリック・ディプロマシー」『月刊経団連』2015年7月
・「21世紀:日本の再生、世界への貢献と地方の役割」『経済同友』2015年7月
<論文・投稿・インタヴュー>(英文)
・“ The Nuances in Japan’s View of America,” Business Week, January 22, 1990
・“ Japan basher’s bandwagon,” San Francisco Examiner,February 13, 1990
・“ The Aquino Legacy: A reassessment of former President Aquino’s six years,” The Philippine Star,October 28-30, 1992
・“ The Aquino Legacy: A Reassessment of President Aquino’s Years,” Japan Review ofInternational Affairs,Vol.7,No.1, Winter 1993 (The Japan Institute of International Affairs)
・“ The Japan-U.S. Auto Talks: A Case Study of Public Relations,” Japan Review of International Affairs, Vol.12, No.2, Summer 1998, (The Japan Institute of International Affairs)
・“ Electronic Commerce: Next Industrial Revolution?,” The Japan Economic Review, July, 1998
・“ Advancing Globalisation,” Far Eastern Economic Review,November 4, 1999
・“ Liberalisation, Regulation and Growth- The OECD Experience,” OECD Journal of Competition Law and Policy, Vol.2/No1, 2000
・“ Say No To Cartels,” The Economic Times of India Group, May 2000
・“ The Idea of Europe and the Role of Japan,” Japan Review of International Affairs, Vol.14, No.3, Fall 2000 (The Japan Institute of International Affairs)
・“ Tax evaders are not like Robin Hood. They take from all of us and don’t give any back,”” The Guardian,January 8, 2001
・“ Le systeme economique nippon doit changer,” France Monde Diplomatie, ete 2002
・“ A new mind-set for sustainable development,” The Asahi Shimbun/ International Herald Tribune,August 20, 2002
・“ Tax Havens Distort free Flow of Capital,” Futuredex November. 2002
・ “A New Direction for Japanese Diplomacy,” Japan Echo, December 2004
・“Cultural Exchange: A National priority,” Aoki Tamotsu, Kondo Seiichi, Wang Min, Japan Echo,December 2005
・“A Major Stride for Japan’s Cultural Diplomacy,“ Japan Echo, December, 2005
・ “Japan adds its voice to call for EU-US Doha co-operation,” Financial Times,June 23, 2006
・“WTO: a call for ‘enlightened negotiators,’ The Japan Times, June 29, 2006
受賞者の業績
氏の業績は、次のとおりである。
外務省広報文化交流部長、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、文化庁長官等の要職を歴任、文化を日本外交の中心におくべきとの確信から、積極的に文化外交を推進し各国に広い絆と人脈を築いた。そこに築かれた厚い人的信頼関係が、石見銀山に続き平泉、富士山(含三保松原)のユネスコによる世界文化遺産登録に繋がった。
日本と世界との知的交流を推進すべきとの観点から、2005年7月に外務省において第一回「世界文明フォーラム」を、ノーベル経済学賞受賞者のアマルティア・セン教授の全面的協力を得て開催。多数の世界の知識人の参加を得た。ついで2012年2月には文化庁主催にて、第二回「世界文明フォーラム」を開催した。
退官後は、外務省参与として国連改革の推進の公務を行うとともに、東京大学(特任教授)、慶応義塾大学(特別招聘教授)、同志社大学(特別顧問、特別客員教授)、東京芸術大学(客員教授、以下同じ)、星槎大学、東洋大学、麗澤大学、京都ノートルダム女子大学などで教鞭をとり、現代日本外交、文化と外交、文化と経済、文化と社会につき研究および後進の指導をしている。加えて岡山大学スーパーグローバル・ユニヴァーシティー外部評価委員、長野県スーパーグローバルハイスクール運営指導委員会委員長、松尾育英会理事、光村図書編集委員として、教育分野における諸活動を行っている。
日本国際法学会、日本政治学会、日本経済法学会会員、日本ペンクラブの会員、アジア太平洋フォーラム・淡路会議理事、日本デンマーク協会会長。さらに一般社団法人「匠プロジェクト」を自ら立ち上げて伝統工芸の振興に努め、また長野県文化振興事業団理事長、静岡県三保松原白砂青松保全技術会議座長、京都市芸術文化協会会長、山梨県立富士山世界遺産センター顧問、徳島県・兵庫県顧問、四日市市顧問、東京都交響楽団理事長、日本舞踊協会会長、日墺文化協会理事長、日本美術文化振興会理事長、漢字能力検定協会理事、サントリーホール企画委員、ローム・ミュージック・ファンデーション評議員、かけはし芸術文化振興財団理事、松尾芸能振興財団理事、歴史民俗博物館振興会理事長、根津美術館評議員、徳川ミュージアム評議員、日本万国博覧会記念基金事業審査会委員、カルチャー・ビジョン・サミット理事、創造都市ネットワーク顧問、企業メセナ協議会助成審査委員会委員長、善光寺顧問、全日本伝統文化後継者育成支援協会名誉顧問、International Bridal Culture Association名誉顧問、日本におけるラ・フォル・ジュルネ芸術顧問、古典の日推進委員会委員、京都市地域活性化総合特別区域協議会委員、平泉文化遺産センター名誉館長、豊島区国際アート・カルチャー都市懇話会委員長などとして、文化の力が社会や経済に浸透することの重要性を説くとともに、多くの自治体や公益法人において自ら実践活動をしている。