一般社団法人全国日本学士会評議員で京都大学名誉教授の田中克先生の編集による『森里海を結ぶ(1)「いのちのふるさと海と生きる」(花乱社)』、『森里海を結ぶ(2)「女性が拓くいのちのふるさと海と生きる未来」(昭和堂)』が、出版されました。
東日本大震災から6年数ヶ月が経過しました。
全国民が共有した震災の経験はしだいに風化し、何事もなかったかのような日常が蔓延し始めています。
しかし、福島第一原子力発電所崩壊の事後処理が進まないばかりか、福島県から各地に避難された人々への言われなき差別や子供たちへのいじめに代表されるように、深刻さを増すこの国の現状や行く末が大変懸念されます。
そのような中、2013年以降、全国日本学士会主催による東日本大震災に関わるシンポジウムが毎年開催されてきました。
①2013年7月20日 京都シンポ 「東日本大震災後の復興の今を語る」京都大学文学部第3講義室
②2014年6月 8日 京都シンポ 「海遍路・東北-海から自然と文化を考える」京都大学医学部芝蘭会館稲盛H
③2015年7月18日 京都シンポ 「いのちのふるさと海と生きる」京都大学医学部 芝蘭会館稲盛H
④2015年9月27日 東京シンポ 女性が描く「いのちのふるさと海と生きる」東京大学農学部フードサイエンス棟中島H
⑤2016年8月20日 京都シンポ 女性が描く「いのちのふるさと海と生きる」京都大学医学部芝蘭会館稲盛H
シンポジウムを通じ、東日本大震災は、いのち、ふるさと、海、ともに生きることを、根源的に考え直す必要を私たちに問いかけました。
それらのシンポジウムの講演録や特別寄稿として、会誌「ACADEMIA」に寄稿された多様な原稿を「いのちのふるさと海と生きる」を軸に組み立て、その根底に流れる「森里海のつながり」を基本にした、震災復興を乗り越え真に持続可能なつながりの価値観を築き直す二冊の本が、5月末に誕生いたしました。
1冊は男性ばかりによる『森里海を結ぶ(1)「いのちのふるさと海と生きる」(花乱社)』、もう1冊は女性ばかりによる『森里海を結ぶ(2)「女性が拓くいのちのふるさと海と生きる未来」(昭和堂)』です。
これら二冊の本には、多様な分野の皆様から理念と実践の両面にわたる多くの示唆に溢れる原稿が寄せられました。
混沌とした世の中で、何をどのように考え、どのように変え、どのように行動すればいいのか、暗中模索の状態にあります。人と自然との調和、環境に負荷をかけない発展、心の有り様など、今を生き、明日を生きていくための、何らかの指針が得られればとご案内させていただきました。
多くの方にお読みいただけることを願っております。
森里海を結ぶ(1)「いのちのふるさと海と生きる」(花乱社)チラシ
森里海を結ぶ(2)「女性が拓く いのちのふるさと海と生きる未来」(昭和堂)チラシ