平成29年度アカデミア賞受賞者の決定及び授賞式のお知らせ

平成29年11月21日開催の理事会において、平成29年度アカデミア賞受賞者を次のとおり決定しました。

授賞式は、平成30年2月9日(金)午前10時から、新都ホテル「陽明殿」(京都駅八条口)にて執り行います。
また、当日11時から受賞者の記念講演、午後1時から祝賀会を行います。

【社会部門】
氏  名:森  清範氏
現  職:北法相宗大本山清水寺貫主、北法相宗管長他
授賞理由:同氏は、清水寺貫主に就任以来、全国津々浦々で行った年間200回にも及ぶ法話を通じ、日本人の伝統的な清水観音信仰を今に甦らせ、日本人が古来より大切にしてきた仏教思想や神仏習合的な信条を、現代の人々の心の拠り所として根付かせた功績は高く評価されている。
また、平成7年以降、年末の風物詩に定着した「今年の漢字」発表奉納及び揮毫を一貫して担当するほか、書画展に参画するなど、日本文化の基層を成す漢字・書文化の普及・復興に多いに貢献している。
さらには、平成6年結成の日中韓国際仏教交流協会副会長として、三カ国持ち回りの大会開催を支援するほか、イスラエルとパレスチナの平和を願い、両国の戦争孤児を招待し開催された「中東平和プロジェクトin綾部」に参画するなど、国際交流による世界平和の推進に尽力した。
以上のように、同氏の顕著な業績と高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞社会部門を授与するに相応しいと認めた。

【社会部門】
氏  名:畠山 重篤氏
現  職:NPO法人「森は海の恋人」理事長、漁師、 京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授
授賞理由:同氏は、海の再生には川の流域や森林域の生態系ならびに人々の暮らしが深く関わることを見抜き、流域全体を巻き込む運動を提唱・展開し、その活動の理念を、歌人・熊谷龍子の短歌の一節から叙情的に表したキャッチフレーズ「森は海の恋人」が人々の心をつかみ、その後運動は大きく広がり、気仙沼湾の海の再生に大きく貢献した。今では世界が注目する日本の“知恵”にまで高めた社会的貢献は極めて優れたものと言える。
同氏は、「漁師が山に木を植える活動」として社会的関心を広めるとともに、同時に子供たちの環境意識を高めるための水辺での環境教育に最も力を入れ、これまでに舞根湾のカキ養殖施設に招いた小学生は1万人を大きく超える数に至っている。
東日本大震災からの復興が全体としてなかなかの思うように進まない中、同氏の「森は海の恋人」に包含された、多様な“つながり”を紡ぎ直すメッセージは、多くの国民に希望を与え、国連が、森のエキスパートではない漁師を世界のフォレスト・ヒーローズに選んだように、世界の目が注がれている。
以上のように、同氏の社会的業績を鑑みても、さらには人格、識見とも優れており、アカデミア賞社会部門を授与するに相応しいと認めた。

【国際部門】
氏  名:田中 裕也氏
現  職:ガウディ研究者、ORIOCC.S.L代表

授賞理由:世界遺産に数多く登録されているガウディの建築物、サグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、グエル公園など、その創造性豊かで謎めいた建造物は、100年以上にわたり多くの人を惹きつける魅力に溢れている。しかしその建造物には謎が多く、図面も殆ど残されていない。同氏は、それらガウディの建築物を何十年もかけて実測と図面作成を行い、ガウディ の主要作品10点の建築図面を実現するという偉業を成し遂げた。これは長年に亘るガウディの建築物の実測と図面作成を通じ、謎に満ちたガウディ建築に込められたデザイン・構造・神話、さらに地域性やアイデンティティの解明など、ガウディが伝えたかったメッセージや考えを知ることとなる大変貴重な業績であり、さらに、同氏は唯一、ガウディの建築図面を持つガウディ研究の第一人者として世界的に認められている。
以上のように、同氏の顕著な業績と高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞国際部門を授与するに相応しいと認めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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