2019年度アカデミア賞受賞者の決定及び授賞式のお知らせ

令和元年11月15日開催の理事会において、2019年度アカデミア賞受賞者を次のとおり決定しました。

授賞式は、令和2年2月7日(金)午前10時から、都ホテル・京都八条「陽明殿」(京都駅八条口)にて執り行います。
また、当日11時から受賞者記念講演、午後1時から祝賀会を行います。

【文化部門】
氏  名:
安田 喜憲 氏
現  職:ふじのくに地球環境史ミュージアム館長、国際日本文化研究センター名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授
【授賞理由】
同氏は、アジアで初めて四季の変化によって湖底の堆積物に現れるしま模様「年縞」を発見、年縞に含まれる花粉や微生物の化石の分析を通じ、環境史と文明の興亡の歴史が年単位で論じることを可能とした業績は、サイエンス誌をはじめ著名な国際誌に多くの論文が掲載され、国際的にも高く評価されている。
また、自然環境の変化と文明の盛衰の関わりを解明する「環境考古学」を提唱・確立するとともに、長江文明の興亡を環境史との関係の中であらたに解明し、稲作漁撈文明の存在を発見するなど、古代文明の盛衰と環境変動との関わりを世界的スケールから解明した業績は大なるものがある。
以上のように、同氏の顕著な業績、並びに高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞を授与するに相応しい人物と認めた。

【文化・社会部門】
氏  名:松田 治 氏
現  職:広島大学名誉教授、NPO 法人瀬戸内海研究会議顧問
【授賞理由】
地球的な規模で環境問題が深刻化し、自然からの恵みを最大限に生かした持続可能な社会の実現が世界的に求められている中、我が国には、森に賢く手を加え、その生物生産性を可能な限り高める「里山」思想がある。一方、海辺に暮らし人々は、古来から岸辺の森を大事にし、森が育む海からの恵みを最大限に生かす、持続循環的な暮らしの知恵が根付いている。同氏は、九州大学名誉教授 柳哲雄氏と共に、それらを掘り起こし現代的な技術も加味しながら、日本の知恵として「里海」思想に高め、提唱するとともに、日本各地において里海づくりを実践し、地域創生に大きく貢献した。

また、海と共生の道を探る数多くの国際会議において、日本発の「里海」論と実践を紹介し、今では、「Sato yama」と共に「Sato umi」が世界の共通語として認知されるまでに広がっている。
以上のように、同氏の顕著な業績、並びに高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞を授与するに相応しい人物と認めた。
なお、同氏の功績が文化及び社会の分野に及んでいるところから、文化・社会部門での選出とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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