ペシャワール会現地代表 中村哲先生の訃報に接し、心から哀悼の意を表します。

中村哲先生長年に亘り、戦禍の絶えないアフガニスタンにおいて、医療・灌漑事業などの人道支援を通じて、現地の貧しい人に寄り添い、荒廃した土地の復興のために尽くしてこられた中村哲先生が、何者かの銃撃により命を落とされるたことは痛恨の極みであり、その理不尽さに憤りを禁じえません。

中村哲先生は、昭和59(1984)年にペシャワール会現地代表となられて以来、パキスタンやアフガニスタンにて医療活動に従事する傍ら、「「百の診療所より一本の用水路を」と、現地の人々と共に農村復興のための灌漑事業を続けてこられました。今では、福岡市の面積のほぼ半分に相当するおよそ16,500haで農地が回復し、65万人の生活が維持されているとしています。

全国日本学士会においては、平成16年2月20日開催の平成15年度アカデミア賞授賞式において、中村先生が取り組んで来られた「多年にわたるパキスタン・アフガニスタン辺境地域における医療活動並びに農村復興事業に対する献身的な業績と国際平和に尽くした功績」に対し、アカデミア賞国際部門を授賞いたしました。

中村先生は、アジアのノーベル賞と呼ばれる「マグサイサイ賞」をはじめ、昨年はアフガニスタン国家勲章など、国内外の様々な分野からの数多くの賞を授与されています。その輝かしい授賞歴の中にあって、本会が中村先生にアカデミア賞国債部門を授賞できましたことは、本会会員にとり大変名誉なことであり、本会の歴史に刻む特筆すべきことだと思っております。

本会を代表して、あらためてご冥福をお祈りするとともに、深い悲しみの中におられる中村哲先生のご遺族、同じく犠牲になられた現地スタッフのご遺族の方々、またペシャワール会の関係者の皆様方に対し、心よりお悔やみ申し上げます。

令和元年12月9日  一般社団法人全国日本学士会会長 真栄城 徳 佳

中村哲先生と西島会長中村哲先生記念講演

 

 

 


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