令和3年度アカデミア賞受賞者の決定及び授賞式のお知らせ

令和3年11月19日開催の理事会において、令和3年度アカデミア賞受賞者を次のとおり決定しました。
授賞式は、令和3年2月5日(土)午前10時から、都ホテル京都八条「陽明殿」にて執り行います。

【文化部門】
受賞者: 佐藤 文隆氏
現 職:京都大学名誉教授
【授賞理由】
氏は、日本を代表する理論物理学者の1人であり、1973 年冨松彰氏とともに、アンシュタイン方程式におけるブラックホールの謎に迫る「冨松―佐藤の解」を発見、この業績により冨松とともに仁科記念賞を受賞した。この解は裸の特異点の存在を示唆していて他の解と大きく異なるもので、ノーベル物理学賞に匹敵する優れた業績として世界的に高い評価を得ている。また、専門的な研究に加え、幅広く人々を物理学の世界へと誘う多数の書籍を執筆するなど、相対性理論を始めとする物理学の普及・進展に多大な貢献を果たした。
以上のように、氏の顕著な業績、並びに高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞文化部門を授与するに相応しいものと認めた。

【文化・社会部門】
受賞者:石田 秀輝氏
現 職:地球村研究室代表、東北大学名誉教授、星槎大学特任教授
【授賞理由】
氏は、長い歴史の中で淘汰を繰り返してきた動植物や自然の営みに学び、自然のすごさを賢く生かす“ネイチャーテクノロジー”を提唱するとともに、自然のメカニズムを応用した科学的に確かな裏付けのある、持続可能性の高い新たな製品を開発するなど、厳しい地球環境制約の中でも心豊かに暮らせるライフスタイルとテクノロジーのあり方を追求する、社会科学や工学を横断する新しい概念を創出した。また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の育成や子どもたちの環境教育に取り組むなど、いのちの循環とものづくりに基づくサスティナビリティ社会の実現に向けた積極的な活動は、国内外において高く評価されている。
以上のように、氏の顕著な業績、並びに高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞文化・社会部門を授与するに相応しいものと認めた。
なお、同氏の功績が文化及び社会の分野に及んでいるところから、文化・社会部門での選出とした。

【社会部門】
受賞者:江崎貴久氏
現 職:伊勢志摩国立公園エコツーリズム推進協会会長、海島遊民くらぶ代表
【授賞理由】
氏は、鳥羽の老舗旅館を営む一方、地域資産としての漁業と観光業が連携して共に支え合う共生社会のあるべき姿を生み出すために、女性スタッフによる「海島遊民くらぶ」を立ち上げた。日々の実践と創意工夫を重ねて、自然や地域の生活文化を通して訪れる人も地域の人も共に幸せにし得る『成幸』エコツーリズムを開発し、環境と地域振興さらには教育を一体化させた日本発の地域振興型ビジネスモデルを創造し実践している。  また全国各地のみならずパラオ共和国における成幸エコツーリズムの普及、人材育成にも意欲的に取り組んでいる。同氏のこれらの取り組みは、国連が進めるSDGsに先駆けた日本の自然や文化と地域の人々のおもてなしの心に根差したより持続性の高い先進的なものであり、女性がいっそう活躍する地域社会の創生を通じて地球的課題の解決にも資するものと高く評価される。
以上のように、同氏の顕著な業績、並びに高い人格、識見を鑑みて、アカデミア賞社会部門を授与するに相応しいものと認めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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