Kent E. Calder【エドウィン・ライシャワー東アジア研究所所長】 国際部門

受賞年月

平成22年2月

受賞理由

多年、国際政治の権威として、我が国の政治・経済・文化の振興発展に貢献した業績

受賞者の経歴

【所属】
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授
付属エドウィン・ライシャワー東アジア研究所所長(2003年より)

【学位】
ハーバード大学大学院政治学博士号

【学歴】
1972年  米国ハーバード大学政治学部大学院修士課程修了
1979年  同大学院博士号取得

【経歴】
1979年   ハーバード大学政治学部講師(1980年まで日米関係プログラム初代事務局長)
1983年   プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン公共政策大学院・助教授、同教授を歴任する。
この間、ワシントン戦略国際問題研究所日本部長(1989〜93年、1995〜96年)
1996〜1997年  米国国務省東アジア次官補主任顧問
1997〜2001年  駐日アメリカ大使特別補佐官として在日米国大使館勤務

【過去における表彰】
『 自民党長期政権の研究』(文藝春秋) 1990年度大平正芳賞、有沢広巳賞受賞
『アジア危機の構図』(日本経済新聞社) 1997年度アジア・太平洋賞大賞受賞
2009年 長年の日米間の研究功績・貢献にたいして創価大学最高栄誉賞受賞

受賞者の業績

氏は、ライシャワー元駐日大使の指導のもとハーバード大学大学院で博士号を取得、その後、ライシャワー大使の意志を受けて、氏の指摘した日米の「損なわれた対話」を乗り越えるために、政策面、学術面からの貢献を続けて来られた。また、ながらく米国国務省の任命により、駐日アメリカ大使、モンデール、フォーリー、ベーカー3人の大使の特別補佐官をつとめ、随一の日本通アメリカ人学者・米国の日本研究専門学者として知られている。ライシャワー大使が40年前に指摘した「損なわれた対話」は、その後の日米双方の努力により好転してはいるが、日米関係の将来にはまだ課題も多くある。互いに対する誤った認識や、対話のタイミングのずれがしばしば太平洋地域の不安定要因となり、他の地域にも影響を及ぼしてきた状況の中で、毎年、年間0回~4回にわたり、日本を訪問、日米双方において日米政策対話、米アジア政治経済セミナー、アジア太平洋政策論文シリーズの刊行をし、更に裏千家・5代目家元千玄室大宗匠の協力のもと、米国における日本伝統文化推進を実践して来た。
氏は、ライシャワー氏が目指した世界を受け継ぎ、太平洋関係に影を落とす日米の「損なわれた対話」を改善するため、約40年間の永きに亘って、日米友好の為に注いで来た氏の功績は顕著である。

研究その他特記事項

1.009年8月より新駐日米国大使 ジョンV. ルース氏への日本着任前のブリーフィングを担当、着任後も大使の要請により継続的に意見交換・アドバイスを行っている。

2.006年4月~裏千家5代目家元、千玄室大宗匠と共に、米国/世界における日本の伝統文化推進に取り組んでいる。

  • 006年4月:ワシントンD.Cにて加藤良三駐米日本大使(当時)公邸の茶室においてローラ・ブッシュ大統領夫人、ラムズフェルド国防長官夫人らを迎え平和茶会を催し、千玄室先生が亭主を務められる。
  • 006年4月:ワシントンD.C国立ナショナル大聖堂にて厳粛なミサの中で千玄室先生による平和記念献茶式が行われ多くのメディアにより報道される。
  • 007年5月:ワシントンD.Cにて米国議会史上初めてとなる茶会を開催。下院のトム・ラントス外交委員長夫妻が出席、折りしも慰安婦問題が物議を読んでいた渦中での日本人の良さをアメリカの人々にもっと広く理解してもらいたいとの目的で開催されたこのイベントは、日本でも大きくメディアで報道された。
  • 008年4月:メリーランド州アナポリスのネイヴァル・アカデミー(米国海軍士官学校)で平和祈念献茶式と講演・茶道デモンストレーションを開催。
  • 008年0月:アラブ首長国連邦首都のアブダビにて、ムハンマド皇太子殿下、同妃殿下への献茶を始め、未来フォーラム(BMENA)出席の各国外相方を招いての茶会開催などの多彩な行事の開催。
  • 009年月:アラブ首長国連邦首都のアブダビにて、ムハンマド皇太子殿下宮殿内にて茶室開き。

3.米軍基地の国際比較・安全保障分野の研究

全世界に点在する海外米軍基地はなぜ必要なのか、海外に他国の基地が存在できる理由とは何か。侵略抑止、同盟関係強化、紛争防止、グローバル補給ネットワークなど世紀においてもその論拠は通用するのか。海外米軍基地が米国、同盟国、国際社会にもたらした影響を分析し、基地の政治学から米国再編を問う研究。

4.日米同盟の再構築の研究

日米同盟の重要性は相変わらず揺るがないが、近年目に見えない形で、徐々に深刻に弱体化しつつ、この太平洋をまたぐ同盟には目に見えない問題が発生することが懸念される。とりわけ、経済、社会、文化などの重要な基盤が、静かに、しかし深刻に弱体化している。日米パートナーシップが表面的にはいかに強く見えようとも、政治、経済分野での関係が収縮すると、同盟全体に深刻な影響が及ぶことになるため、戦後の日米関係、そして日英・英米・米独同盟など二国間の同盟を検証しつつ、日米同盟の将来への処方箋を提言するための研究。

5.エネルギー安全保障の研究

世界のエネルギー事情を地政学的な視点から分析し、その問題点を指摘しながら安全保障のあり方を検討する。

著書・論文

【主な著書
Crisis and Compensation: Public Policy and Political Stability in Japan,1949-1986,(Princeton University Press, 1 988)
『自民党長期政権の研究─危険と補助金』(文藝春秋,1989年)
『クロスオーバー・ポイント─逆転時代の日米関係』(田口汎訳,日本放送出版協会,1992年)
Strategic Capitalism: Private Business and Public Purpose in Japanese Industrial Finance,(Princeton University Press, 1 993)
『戦略的資本主義─日本型経済システムの本質』(日本経済新聞社,1994年)
Pacific Defense: Arms, Energy, and America’s Future in Asia,(Morrow, 1 996)
『アジア危機の構図─エネルギー・安全保障問題の死角』(日本経済新聞社,1996年)
Embattled Garrisons: Comparative Base Politics and American Globalism,(Princeton University Press, 2 007)
『米軍再編の政治学−駐留米軍と海外基地のゆくえ』(日本経済新聞出版社,2008年)
Pacific Alliance: Reviving U.S. -Japan Relations,(Yale University Press, 2 009)
『日米同盟の静かなる危機』(ウェッジ,2008年)

【共著】
The Eastasia Edge, with Roy Hofheinz, Jr.(Basic Books, 1 982)
『脱(ポスト)アメリカの時代−東アジア経済圏の台頭』(日本放送出版協会,1982年)
The U.S.-Japan Economic Relationship in East and Southeast Asia: a Policy Framework for Asia-Pacific Economic Cooperation, co-edited with Kaoru Okuizumi and Gerrit W. Gong,(Center for Strategic and International Studies, 1 992)
East Asian Multilateralism: Prospects for Regional Stability, co-edited with Francis Fukuyama.(Johns Hopkins University Press, 2008)


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