2014年公開シンポジウム「海遍路・東北-海から自然と文化を考える」開催のお知らせ

本会におきましては、来る6月8日(日)午後1時30分から、京都大学医学部芝蘭会館稲盛ホールにおいて、
本会主催の2014年公開シンポジュウム「海遍路・東北-海から自然と文化を考えるを開催いたします。

東日本大震災から早や三年の時が流れ、急速な風化が懸念される中、あの大震災が私達に訴えたものを、折に触れ思い出すことが求められます。
それは、日本らしさの根底にある自然への思いやり、自然への畏敬の念を取り戻すことにほかなりません。そして、震災の深刻さは、何よりもふるさとを強制的に奪われた多くの皆さんの苦難に、象徴的に現れているように思われます。

大震災が発生した2011年の秋に、高知からシ―カヤックで四国沿岸を巡り、海から人の暮らしや自然の現実を見聞して、幸せの原点やこの国の未来を見つめ直す取り組みが、高知大学名誉教授(現)の山岡耕作さんを中心に始まりました。2013年秋に四国一周の「海遍路」を終え、2014年には、今後の全国展開の皮切りとして、震災の海を巡り、復興の現実とその先を見つめなす「海遍路・東北」が実施されることになりました。

リアスの海として特徴づけられる東北北部の太平洋沿岸域では、森と海が直接つながり、海と共に生きる人々はそのつながりの大切さを受け継ぎ、今では日本の知恵や文化とも言える“森は海の恋人”として世界が注目し始めています。それは、この国の基本構造を山(森)が川や地下水系で海とつながる“垂直的”に捉えたものであり、一方、海遍路は“海抜ゼロメートル”から、津々浦々に多様な文化を育む沿岸域を“水平的”に見つめ直すものと言えます。

この垂直と水平の交差点である水際は、私たち人間の祖先が海から陸に上陸した通り道、すなわち私達の究極の“ふるさと”へ続く道なのです。陸に住む私たちはどうしても、目先の暮らしの利便性や経済成長に目を奪われ、陸の都合で海をないがしろにし続けてきたのではないでしょうか。大震災は私達に海の深く大きな存在を改めて知らしめることになりました。海からこの国の自然と文化を見つめ直すことは、大震災からの復興にとって、さらには続く世代に何を残せるかを考える上でも、とても大事なことと思われます。

一般社団法人全国日本学士会では、昨年に続き東日本大震災からの復興を見つめ直すシンポジュウムを、「海遍路・東北-海から自然と文化を考える」をテーマに開催することになりました。基調講演をお引き受けいただきました、日本が誇る海洋冒険家、八幡 暁さんをはじめ、多士済々なパネリストの皆さんが、東北の海辺を巡った体験を踏まえて、興味深いお話をしていただけることと思います。

2014年公開シンポチラシ

参加費は無料です。
多数の方々の参加をお待ちいたしております。

2014年公開シンポジュウム「海遍路・東北-海から自然と文化を考える」実行委員会
委員長:京都大学名誉教授・(公財)国際高等研究所チーフリサーチフェロー  田中 克
事務局:一般社団法人全国日本学士会専務理事・事務局長 岡田和男

【協賛】
NPO法人「森は海の恋人」
NPO法人「海遍路」

 

 


ページ上部へ